生きる 返し終えるその日までは

駄目男の500万返済日記

仕事を求めて

毎日含み損が拡大していくとき。

暗い、底が見えない大きな穴に、どこまでも落ちていく。何も視界に映らない。震えながら、ただただ引力に従い、穴の底へと落ちていく。

正常な精神状態でなどいられるはずもなく、人と積極的なコミュニケーションをする気にもなれず、孤独感は増し、絶望感はピークに達していく。


一方、今日のように、損切りして損失を確定したとき。

遥か上空から、抜け殻になった自分を見ているよう。達観していて、どこか他人事にさえ感じる。もちろん抜け殻なので思考能力はゼロ。何も考えられない精神状態なのは間違いない。今もそう。何が起きているのか、直視できていない、呆然としてはいるが、慌てふためいてもいない。


しかし証券口座の損益数字は、どこまでも無慈悲なほど正確に現実を突きつける。


わずかな期間で、600万近い金額を失った。これが紛れもない現実だ。

この額を稼ぐのにどれだけ働いただろう。人生の何分の一の時間を使っただろう。失った金も時間も戻らない。


最も大切なもの、家族を失わないよう、借金がばれないよう、取り繕い続けるしかない。


本腰入れて、副業の仕事を探し始める。睡眠時間の確保など、言っている場合ではない。

大したスキルはないが、とりあえず気になった案件に応募していっている。発注者には申し訳ないが、やりながら気合で勉強してみるしかない。

しかし格安報酬でも、案件を獲得するのはかなり大変だ。どんな仕事でも、競争率が高い。


やっぱり、大変な時代なんだ。コロナはアルバイト先を次々と奪い、AIは単純な労働者の存在を許さない。


カネは、世の中に余りまくっていて、株式市場に流れているなどと言う。

しかし、世の中のヒトは、みんな熱心に仕事を求め、必死に生きているのだろう。手を抜いて生きている人はほとんどいない。


数千円という報酬の案件を求めてたくさんの人が群がる。数千円など、失うのは、数秒で失える。市場では特に。しかし手にしようと思ったら、市場であれ現実社会であれ、それなりに必死にならなければならないのだ。(自分には市場での必死さが全く足りていなかった。)


こうしている間にも借金の金利がどんどん増殖していっている。あいつら、金利たちからは逃げられない。

めげずに応募し続けるしかない。

もう後はない。